認知症の予防
厚生労働省のデータでは、令和元年の日本人の平均寿命は、男性が81.41歳。女性は87.45歳です。しかし健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳とあります。
健康寿命を迎えている方・過ぎている方、あなたの今現在の体調はいかがですか?
還暦を過ぎると、若い時には気にも留めなかった体の変化(筋力・脚力・体力の低下)に否応なく「老い」を自覚するでしょう。
そして今は、「認知機能の老い」が個人的、家庭的、社会的に大きな不安と負担です。しかも治す薬はありません。ですから、現在の「脳機能の維持」が重要です。
上の図の通り、男女共に75才から認知機能の低下具合が急激に上がっています。
脳を、60代までに良い状態を保ち続ける事が重要です。
認知症の予防のために出来る事
脳細胞の維持には酸素・栄養・刺激が必須であり、酸素と栄養は血液で供給されます。
脳の活動で作られる代謝産物でありアルツハイマー症の原因とされるβ‐アミロイド、タウ蛋白の排出もリンパから静脈へと血液が担っています。すなわち、脳機能の維持には、スムーズな血液の循環が重要です。
睡眠時に、中枢神経系の血圧の低下が神経細胞間に隙間が出来、リンパの流れが促されて、代謝産物の排出がなされます。
頭部への血液供給経路の重要部位が図の赤丸で示してある後頭骨と頸椎1・2番間部で、総頚動脈から分かれた内頚動脈の流入する部分です。この部位の筋肉組織の硬結・拘縮が、いわゆる骨のズレのよる血管の絞扼→血流障害→脳細胞の代謝不全→脳機能の低下を招くと考察されます。
ズレを作らない身体の使い方や習慣を変えるのは容易ではありませんが、健康寿命を延ばすには自分の現在の身体の状態に向き合い出来る事を行うしかありません。
このエクササイズは、脳への血液循環の回復・維持を目的とし、偏頭痛・目の疲れ・のぼせ感、気圧の変動による不定愁訴など、自律神経系の不調による症状にも効果があります。
脳への血液循環と代謝産物の排出という働きは、認知機能を維持するのに欠かせない基本条件です。
まりも呼吸
複式・胸式など多種多様な呼吸法があります。それぞれに効果はあるでしょうが、どれもが身体に無理があり、習得に難しいものです。そこで、以下に述べる呼吸法を一度試して下さい。簡単な事ですが、その効果を実感できます。
一言で言うなら、寒い時に凍える手の指を温めるように柔らかく息を吐く、その状態です。
その時は、上半身、特に喉や胸の当たりの緩んでいるはず。ただこれだけです。
習得手順
・実際に口元に指を近づけて、温かで柔らかく、優しく手を包みこむように息を吐いてみましょう。とにかく優しく吐くを何回か行います。
次に、顎は緩めたままは変えずに唇を合わせ、鼻から息を抜き入れる呼吸に変えます。
・その時の頸、胸や肩の力が抜けている状態を感じ取り、手を膝に降ろして顔を正面に向け、柔らかな呼吸を続けてみましょう。
・先ずは座位で行い、その呼吸感覚を掴んだら、歩いてみましょう。歩き方が柔らかくなっている変化を感じるはず。
作業、学業など、日常的に行えれば、今までと違う一段上の感覚での毎日を送れます。
さらに発展系の方法がありますが、説明が難しく、誤った解釈・勝手な指導の弊害を考慮して公開を控えます。
鼻軸(頭の傾け)
姿勢は座位
・膝は肩幅に開き足底を床に着け、背筋を伸ばして座る。
・身体は垂直に保ち動かさずに、鼻を中心軸として左に頭を傾けた状態を10秒程保つ。
・頭を中央に戻し、次は右側へ同様に10秒間を交互に、つまり、左→右→左→右です。
・耳の後ろ側に丸印部分にストレッチ感が出る様にジワ〜ッと頭を傾けます。この時に、顎の力を抜く事が重要ポイントです。
・朝と夜は必須、ディスクワークやドライバーなど、同じ姿勢が続く作業を行う人は、1・2時間毎にこまめに行ってください。
*唇は閉じ、顎は緩める*
良い眠りを誘う「くび枕」
脳の代謝産物は睡眠時に、脳のグリア細胞のリンパ管システムにより静脈に流れ排出されます。しかし、頭と首にズレがあると、血液の流れが滞り代謝産物が排出されず、脳の疲労が解消されずに肉体的・精神的な不調を起こし、溜まった代謝産物による脳細胞の破壊により認知機能が低下すると考えられています。
くび枕は、頸にかかっているストレスを和らげ、後頭骨と頸椎間を広げ血液の循環を良くし、睡眠の質を高めます。
睡眠不足の状態では記憶を司る海馬と、身体の情報を脳へ中継する視床にアミロイドβという脳細胞を破壊する要因である産生物質の蓄積が認められるという報告もあります。
脳への刺激
脳への刺激と言えば、脳トレなどの記憶や図形の判断・学習ををイメージするでしょう。それも効果がありますが、新しい動作を覚えるという運動系からの学習も、脳への刺激に効果があります。
例えば、食事後の歯磨き時に、利き手ではない方の手を使うというのも、脳への刺激として高い効果があります。左右同じように歯ブラシを使えるようにする日々の練習は、認知機能低下に役立ちます。
お手玉やけん玉などの遊びも同様に効果があり、方向や持ち手を変える等を工夫するとより効果が上がるでしょう。
姿勢は上に準じます。
トレーニングマットなどの上で行うと、さらに良い。
紙風船を打ち上げる遊び。膝の悪い方は座位でもOK!
音読ー声を出しの読書も効果があるのと研究報告もあります。
*認知機能の維持のために*
脳の海馬という部分は、記憶に重要な働きをする組織で、その組織への血液の供給血管が、頸椎6番と7番から入る椎骨動脈です。脳への血流を十分に確保してから、脳トレを行うことで、脳トレ効果も上がるでしょう。
ここで詳しく述べることはできませんが、咀嚼が脳静脈の排出を促す効果があります。食事の時は、一噛みごとにしっかりと顎を下しゆっくりとたべること、顎関節を開く行為が、脳機能の保持改善に繋がります。