カイロプラクティック生理作用機序
カイロプラクティック療法の特徴である「アジャストメント」の身体へ及ぼす作用が、解剖学的・身体生理学的理由の説明をします。その効果がプラシーボでない事の理解が深まるでしょう。
1、神経系の賦活
2、脊椎椎間孔部の神経・血管絞扼を取り除く
3、筋・血管の弛緩
1、神経系の賦活
皮膚・筋線維・靭帯・骨膜などのは各種感覚受容器という細胞が存在します。それら感覚受容器は、身体の様々な情報を神経線維を通り、中枢神経である脊髄・脳へ流れます。また、それらの情報に基づいて、中枢神経から身体へ運動・内臓への指令を発動します。
各種感覚受容器は、一定の刺激を与えると電気信号を発します。
カイロプラクティックは、脊椎骨へのアジャストメントを行うことで、椎骨周囲に存在する感覚受容器に刺激を加へ電気信号を誘起し、中枢神経の神経細胞を活性・抑制して身体恒常性の回復を計るわけです。
2、脊椎椎間孔部の神経・血管絞扼の解消
水を流すホースが踏まれると、当然の事ながら水の流れは止まるか弱くなります。それと同じように神経線維が絞扼されると、正常な信号が流れが妨げられ、脳・脊髄と筋肉・内臓相互の指令・情報に支障が生じ、身体機能が正しく働きません。
椎間孔は、脊髄神経に栄養を運ぶ血管も通るので、血管の絞扼は脊髄神経組織そのものの働きが低下します。
脊椎骨へのマニピュレーションに特化したカイロプラクティック・テクニックは、その絞扼を解消します。
3、筋・血管の弛緩
カイロプラクティック・テクニックの特徴である脊椎椎間関節部へのアジャストメントの数ある作用の一つに、関節滑液包内の滑液に含まれている窒素(NO)の排出があります。NOは筋・血管細胞を弛緩する作用がある神経伝達物質です。
排出されたNOが、椎間孔部の筋肉の弛緩による血管の絞扼の解消と拡張がより促されます。血管の拡張による脊髄への血流の回復は、神経伝達系統・脊髄内の筋肉・内臓反射を正すことになります。
*内臓相互間の情報伝達
近年、神経系を介さない臓器の協調作用があることが判明しました。
様々な臓器から神経伝達物質という化学物質が出て、その神経伝達物質が、他の臓器の活動に血液を介して相互に情報を連絡し、協調をしているということです。
血管は交感神経支配を受けています。
交感神経優位な状態では、末梢血管を収縮させ血流が低下します。内臓間の神経伝達物質での相互伝達も当然、低下してしまいます。
また、内臓器・腺は、交感神経と副交感神経との二重の神経支配を受けており、互いに拮抗的(公園のシーソーのイメージ)に働いています。活動すべき状況時に低下あるいは亢進状態になると体調不良と自覚されます。
*自覚しない痛み信号を発している部位がある。
「痛み」があると、交感神経優位の状態となります。手足の冷え、乾燥肌、胃腸が弱い、便秘、睡眠が浅い等は交感神経優位な状態であり、身体どこかにある痛み感覚が、自律神経系に影響して生じている症状であると考えられます。
*脊髄の血液循環
神経細胞である脳・脊髄は、糖や酸素などの代謝性物質を大量に消費する器官ですが、血液を貯めて置く筋肉や脂肪組織はありません。供給が途絶えると組織の維持や伝達や反射活動などの機能を発起できない組織です。にもかかわらず脊髄への血管は非常に細く血液の供給力も弱いので、血管絞扼により神経機能障害が起こしやすいのです。